「上手くなってから話そう」は実は間違い?
皆さん、こんにちは。
今日は語学習得に重要な「マインドセット」に触れてみたいと思います。
突然ですが、皆さんは「臆することなく、大胆に物事に取り組める」タイプですか?
それとも「人前はどちらかというと苦手。失敗もちょっと怖い」タイプですか?
どちらにせよ、ここまで私の話に目を通して下さるくらいですから、
「基本的には真面目で、一生懸命物事に取り組む」タイプだと思います。
私ははっきり言って「後者」のタイプでした。
失敗は怖い、それに加えていい格好しいでで人前で恥をかきたくない。でも、根本的に真面目だから一生懸命努力する。「しっかり準備して、出来るようになってからやろう」という感じです。
日本人にはどちらかというと、私のようなタイプが多いのではないでしょうか?
「周りとの協調を大事にしなさい」「人に迷惑をかけてはいけません」といったような教育を小さい頃から知らず知らずのうちに受けていたり。「出る杭は打たれる」的な。
最近は一人一人の個性を伸ばそうという考え方も多くなってきているかもしれません。
しかし、これらは実は語学の習得を早くしていくために、突破すべきマインドです。
特に語学を教えていたりすると、「上手く話せないから恥ずかしい。一生懸命勉強してから話そう」
この考え方の人に出会う確率が高いです。そして彼の言う勉強とは、たいてい家で本を使って読み書きする受験勉強法の事なのです。
皆さん、ここでとても大切な事を伝えます。たった一言ですが、本当に頭に刻み込んで欲しい一言ですから、よく聞いてください。
「語学は上手くなってから話すのではない。話してこそ上手くなるのだ」
どうですか?当たり前ですか?
そうです。当たり前です。言葉は「話さ」ないと上手くならないのです。重要なのは「実践」です。
「上手くなってから〇〇、上手くなってから〇〇」という考え方を持っている人が意外と多いのですが、「順序が逆」なのです。
「やったら上手くなる。やればやるほど上手くなる」というのが本来の物事の道理です。
ここでマインドが重要になってきます。
「上手く出来ないから、話さないでおこう」
「間違ってたら恥ずかしいから、静かにしておこう」
その気持ち、わかります。私も元々そのタイプだったわけですから。
でも皆さん、大丈夫です。
日本に来た外人と接してみてください。彼らの日本語、上手いと思いますか?
日本人からしてみれば文法とか発音とかイントネーションとか、結構ひどい人いっぱいいます(笑)
だからと言って、「ヘッタだな」とか「もっと勉強してこい」とか思いますか?
単語さえわかれば何言いたいのか大体わかったりします。そんなもんです。
彼らの中には「俺は日本語上手いんだぜ」と自信満々に思ってたりする人も少なくないです。そんなに上手くないのに(笑)
失敗する事、怖いです。
でも、その気持ちを振り切って思い切ってやってみる人の方が成功率が高いのです。
日本人の真面目で勤勉で誠実なところは世界から見てもいいところ。
でも、語学の勉強を通して、ちょっとだけ今までになかった自分に挑戦してみるのも素晴らしい事ではないですか?
以上、「語学習得に重要なマインドセット」の話でした。
次からはいよいよ、具体的な勉強方法について話していきたいと思います。
語学習得の追い風、「シナジー効果」を生む勉強法
これまで
「『スピーキング』を中心にした勉強方法が最も良い語学習得への早道」と話してきました。
では、「『ライティング』『リスニング』『リーディング』は必要でないのか?」というとそれも違うと話しました。
「スピーキング」を中心にした勉強方法というのは、「話せるようになりたければ」限られた語学勉強の時間の中で、『話す練習』を抜きにせず、優先順位をつけなければならない状況になった時には『話す練習』を最優先にせよ」ということです。
ここで「スピーキング」を中心にした勉強方法について考えてみたいと思います。
「スピーキング」「ライティング」「リスニング」「リーディング」は日本語に置き換えると「話す」「書く」「聞く」「読む」ですが、皆さんはこれらの関係性について考えたことがあるでしょうか。
学校の授業で習うときも「ライティング」は「ライティング」、「リスニング」は「リスニング」、「リーディング」は「リーディング」といった授業の区分分けをする事が多い(「スピーキング」は敢えてここでは省いています。今では学校の授業で「スピーキング」の授業を取り入れる所も多くなってきてるでしょうが。)ので、それぞれの勉強法だけを考えて各項目の力を伸ばそうと考えます。
しかし、実はこの4つの項目は別々ではなく、お互いに関連しています。
「話す」事を中心に考えた時、「話せるようになった」言葉は「聞き取れる」ようになります。
そして「読む」=「音読」という前提を置いてください。「音読する」事は「話す_(口を動かす)」練習になり、同時に、必然的に耳に聞こえてくる状況になって「聞く」力もつけていく事になります。
「書く」ことは「見る(目という肢体を使う)」という事に繋がり、さらに「読む」事で「話す、聞く」という訓練に繋がってきます。
4つの項目がこのように関連付けられるとわかっていても、わかっていなくても、おのずと相乗効果はあるのではないかと言われるかもしれません。
しかし、人は「どのような考えで物事に取り組むのか」で、得られる効果・結果が大きく左右されるものです。つまり、「考え方」がとても重要なのです。
つまり「スピーキング」を中心にした勉強方法とは、言い換えれば
「話せるようになる」事を語学習得の第一目標とし、他3つの項目をそのための補助的練習項目として考える勉強法と言えます。
この効果は絶大で、それぞれの項目に取り組む時の意欲が断然違ってきます。
「言葉」の持つ機能は様々ありますが、やはり「話す」「コミュニケーションが取れる」というのは、やってても一番楽しいのです。
ここまで、「『スピーキング』を中心にした勉強方法の効果」について話してきました。
具体的な勉強方法の詳細に入って行く前に、もう一つ語学習得のために必要な「マインド」の話をしてからにしたいと思います。
外国語を話せるようになったのは「〇〇の勉強法」に答えがあった。
「語学は脳の記憶と筋肉運動が1つになって起こる融合傑作」で
語学習得には「脳に記憶させる作業」と「体の各部位を動かせるようにする訓練(筋肉運動)」が必要だと話しました。
今日は「筋肉運動」の部分について話してみたいと思います。
ここで再び私の経験談を思い出して欲しいのですが、
7年間日本で勉強しても話せるようにならなかった私が、半年の留学経験を経て話せるようになった(この段階では「初級〜中級」レベルでの会話という意味です)のには、ちゃんとした理由があります。そして、ここに日本の語学教育の落とし穴というか、問題点というか、それがあるのです。
当時7年間、様々に勉強はしました。経験談の中でも書いたように、
「ライティング」「スピーキング」「リスニング」「リーディング」をどれも一応やりました。
しかし、中学から英語の授業が始まり、受験英語を勉強していた私は、知らず知らずの間に「ライティング」「リスニング」「リーディング」を中心とした勉強法しか出来なくなってしまっていたのです。というか、「スピーキング」の勉強方法がわかりませんでした。
読んで、聞いて、書く。読んで、聞いて、書く。
誰もが陥るような日本の受験勉強法をずっと続けていたわけです。
「ライティング」「リスニング」「リーディング」、確かに意味がないわけではありません。必要がないわけでもありません。
しかし、これら3つだけをやっていても話せるようになりません。また、「『スピーキング』を中心にした勉強」をした方が、これら3つも効果を発揮しやすくなるのです。
日本の受験勉強型の語学教育では、単語や文法の知識は確かに増えます。しかし、1つ文法を理解し覚えたら、それを習得したと思い込んで次のレベルの文法の勉強をしていきます。知識だけはどんどん増えていきますが、実際は簡単な基本文法レベルの会話すらスラスラ話せないという状態が生み出されます。
「語学は脳の記憶と筋肉運動が1つになって起こる融合傑作」だと話しました。
脳の記憶にあったとしても、それを音として発する「口を自由に動かすことが出来なければ、結局話せない」のです。
「語学はスピーキングだけじゃない」という方もいるかもしれません。しかし、どうせ勉強するなら、話せないよりは話せた方がいいのではないですか?
また、私はその他の「ライティング」「リスニング」「リーディング」が必要ないと言ってるわけではありません。
基本的な文法を使った文章もスラスラ話せないのに、いくら文法だけ次のレベルのものを学んでも話せないよということです。
何をするにも基本が本当に大事です。そして、基本を「きちんと」学んで習得することがあまりにも大きいです。
私が留学して開花した理由。それは頭でっかちの知識人間になってた私が、語学学校の初級の授業を通して、基本的な文章を何度も何度も繰り返し話して練習したことで、「基本的な口の動かし方を学んだ」ことだったのです。
次回は、「スピーキング」を中心にした勉強法についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
「0」か「100」、語学にありがちな白黒思考を壊そう
私の経験談の中で「語学にはレベルがある」という話をしました。
まだ、お読みでない方はこちらから一度お読み下さい。
「語学にはレベルがある」
これは当たり前の話かもしれませんが、実はよく理解しておく必要があることです。
何故なら、語学初心者の時は外国語を話せる人を見ながら
「外国語を話せる」「外国語を話せない」の「0」か「100」だと思いがちだからです。
私も全く外国語を話せなかった時は、外人と対話している人を見たら
「あの人はペラペラだ」「何不自由なく、何でも話せるんだな」という風に思っていました。
しかし、実はそうではなく外国語もレベルがあるのです。人は自分が出来ないことを少しでも出来る人を見ると、そのことに関してのその人の能力は「100」だと思い込みがちです。しかし、当然ですが誰でも出来ることと出来ないことはあるし、皆常に高いレベルを目指して日々努力しているのです。
するとどうでしょう。
「外国語が話せるようにならない」という人はどこを目指すべきでしょうか?
もちろん最終的には「ペラペラとネイティブレベルになりたい」と高い目標を置くことは大切です。しかし、まず初めは「初級レベル」の対話が出来ることを目指すべきなのです。
外国語は大きく分けると「初級」「中級」「上級」の3つに分けられると思います。
そして、初級レベルでも、中級レベルでも、上級レベルでも、「外国語を話せる」という事には変わりがないのです。
そしてこの事は、「最終的にどこを目指す必要があるのか」という話にも関わってきます。
韓国語を例に話しますが、韓国語は
「1-2級」ー初級
「3-4級」ー中級
「5-6級」ー上級
と分けられるのですが、
あなたの目標が「韓国人ととりあえずコミニケーションが取れるレベル」なのであれば、実は「2級(初級)」レベルになれば達成することが出来ます。
ここでもう一度「語学の基本サイクル」のグラフを見てみましょう。
グラフ入れる
このグラフを見ると、「初級」「中級」「上級」のそれぞれに「ある日」を迎えるまでの下積み期間があるということがわかります。
(「ある日」とは私の経験談の中で出て来る表現です。まだお読みでない方はこちらから読んでみて下さい。)
当然の話ですが、「初級」に至らない人は「中級」に至らないし、「中級」に至らない人は「上級」に至らないということになります。
しかし!
ここで大事なのは、「外国語が話せない」状態から「外国語が話せる」状態に自分がなったという「ひとまずの成功体験」は「初級」を達成した時に感じることが出来るということです。
この「成功体験」というのが、ものすごく大事です。
この「ひとまずの成功体験」「初級レベルにおける『あの日』」を迎えれば、語学習得の1つの成功を収めたと言っても過言ではないと思います。
そうは言っても、繰り返しになりますが初級レベルでの基礎積みも「楽、簡単」ではありません。しかし、まず「目指すべき位置と」、それに対する「良い方法」、そしてそこに至るまでにこのような「山や谷があるという事」をわかった上で取り組むという事は断然違いがあると思います。
「語学というのは話せる、話せないの『0』か『100』ではない」
次回は、語学習得におけるもう一つの要素である「筋肉運動」について話そうと思います。
語学習得の基本サイクルを知る
語学習得では「反復」が欠かせない
と前回話しました。
そして
「もっとも退屈で飽きやすいのが基礎の反復」であり、「この基礎反復期間に諦めて脱落してしまう人が多いのだ」と話しました。
ここで、私の経験談にちょっとだけお付き合い下さい。
ブログのトップページでも少し触れましたが、私は韓国語を習得したくて7年間日本で勉強をしました。ありとあらゆる方法(教科書、韓国人の友達を作る、街の韓国語教室、ネット上の情報商材、毎日韓国語リスニングなど)を試し、何としてでも話せるようになりたいと努力しました。
当然、韓国語の知識はそれなりに増えましたが、いざ韓国人と話そうとすると挨拶程度の言葉しか出て来ないといった有様でした。
語学が元々好きで、受験勉強の中でも英語の成績が最も良かった私でしたので、周りから見ても一生懸命やってると言われるくらいだったとは思います。しかし、7年やっても挨拶程度のレベル。
「もう、自分は語学の才能がないんだ。もう、最後に留学するしか方法がない。それでも駄目だったら、金輪際語学の勉強はやめよう」とまで思うようになりました。
そんな私の想いを神様が汲み取ってくださったのか、当時会社員だったにもかかわらず、色々な経緯があり、会社を辞めて留学に行けることになったのです。
語学学校に入学する時にはレベルを測るテストがありました。私は単語や文法の知識はあるが、とにかく話せるようになりたいという想いが強かったので、スピーキングで定評がある語学学校を選択するようになりました。なので、テストは先生と電話越しでの対話なのでした。当然、挨拶くらいしか話せない私は、7年間勉強してきたにもかかわらず、一番レベルの低い「1級」のクラスに入れられることになりました。それだけでも恥ずかしく、悔しい思いをしたことを今も忘れられません。
(これも後々触れていくことですが、語学学校に行くとレベル別のクラスがあります。ということはどういうことか?
「語学にはレベルがある」ということなんですね〜。
「当たり前じゃん」と思われるかも知れませんが、これが意外と語学習得の際のマインドセットに大きく関わる部分ですので、後ほど説明していきたいと思います。)
本文に戻ります。
「高いお金をかけて留学にきたものの、本当に大丈夫だろうか?」
そんな不安・心配を抱えたまま、運命の授業はスタートしました。
「1級の教科書の内容」は「自己紹介」から始まりました。
「えっ、ここまで簡単な内容?まじか、高い金払ってきたのに・・」
授業に参加している生徒はヨーロッパやアジア各地から集まってきている生徒がほとんどで、ほとんど韓国語を学び始めたばかりの人達だった上に、授業の半分は生徒同士でその日のテーマに沿って会話するという内容でした。
「本当にこんな内容で続けてて、ペラペラ話せるようになるんだろうか?」
約1ヶ月半の間、悶々とした心で続けながら、焦りが募っていきました。
あまりのじれったさに、1級の先生の所に行って2級にあげてくれと頼みました。語学学校は1タームが3ヶ月で、期末にテストがあり、受かれば次のタームに進級できるのですが、同じお金を払うなら自分のレベルにあった所に行きたいと思いました。自分は2級のレベルくらいはあるだろうと思っていたからです。
そうして、2級の先生が特別にテストの機会を下さったのですが、結果は「惨敗」でした。筆記もスピーキングも全く駄目でした。
「本当に情けないな。。」と思いながら、しぶしぶ1級の授業に通うことになりました。しかし、授業を続けていくうちに、所々知らなかった単語や文法が出てくることがありました。7年間日本で勉強して知識はあるだろうに、意外と知らないことにぶつかるのでした。
結局最初の1タームを「1級」で過ごし、期末テストに合格して進級出来るようになりました。
3ヶ月経った時の私の実感は、「簡単な言葉を話すことには慣れたのだが、韓国人と話そうとすると続かないし、何言ってるのか聞き取れない」という感じでした。
それでも6ヶ月間という限られた留学期間だったので、とにかく必死に勉強に取り組みました。
6ヶ月経った時、とある自分の変化に気づきました。
「あれ、何か急に韓国人の話すことが聞き取れるようになってる。」
「いつの間にか韓国語を話すことが難しくなくなってきたぞ。」
衝撃的でした。
あんなに7年間苦労しても挨拶程度しか出来なかった韓国語が、留学して6ヶ月後には信じられないくらい話せるようになって来ていたのです。
このような経験から、一体、語学を習得するには何が必要なのか、日本に帰って来てから様々に研究し、英語と中国語の習得に向けて、実践を繰り返しました。
私の経験談を通して伝えたい語学習得のポイントはいくつかあるのですが、それはまた他の機会に伝えることにして、話を本題に戻します。
私が考える「語学習得の基本サイクル」というものがあります。
これは語学に限らず物事の習得全般的に当てはまることだと思うのですが、
習得のグラフは「右肩上がり」ではなく、「ある一定期間平行線を辿り、とある瞬間グッと上に伸びる」というものです。
皆さん、生活の中で何かを身につけようとする時にこんな経験はありませんか?
「今まで何回説明してもらっても理解できなかったのに、ある日突然理解できるようになった。」
「何回練習しても出来るようにならなかった技が、ある日突然出来るようになった。」
これは、ある日突然奇跡的に出来るようになったように見えますが、実はそれまでの地道な積み重ねがあって初めて起こる奇跡なのです。
しかし、その「ある日」を迎えるまで、毎日毎日右肩上がりの成果が感じられるものではありません。だから、「反復」していく中で先が見えず、モチベーションが下がり、「ある日」を迎えるまでに諦めてしまうようになります。
確かに、「ある日」を迎えるまで実際大変です。「楽に」「簡単に」などといい加減に言う事も出来ません。
でも、同じ努力をしていくにしても、「まぁ、語楽堂」を読むことによって、出来るだけ良い方法・早道をわかり、大変な時にはサポートしながら、少しでも皆さんの語学習得の力になれたらと思っています。
以上、ここまで長々とお読み頂きありがとうございます。
「簡単、楽」ではないが、語学習得に向けて続けて「まぁ、語楽堂」をお読みいただける方は、管理人に付き合ってやってください。
次回は、今日の記事の中でも触れた「語学のレベル」についてお話ししたいと思います。
語学習得の際に知っておくべき脳の記憶領域について(Part2)
前回、「脳の記憶領域(短期記憶と長期記憶)」について簡単に触れて見ました。
そして語学習得で欠かせない「記憶」の部分に関して必要なことは
「『短期記憶』(一時的に覚えたもの)を『長期記憶』(ずっと覚えているもの)に移すこと」
だと話しました。
ではどうやって短期記憶を長期記憶に移すのか、具体的な方法を教えろ、ということになるのですが、その前にもう少しだけ「脳の記憶」のメカニズムに触れたいと思います。
「短期記憶」で記憶を保存できる期間は最大で1~2週間、長期記憶に移動しなかった情報は、そのままにしておくと自然に消滅してしまいます。
「短期記憶」を司っている部分は「海馬」という脳の部分だと話しましたが、この海馬が記憶の重要さを判断し、取捨選択しているのです。
つまり、海馬に「これは長期的に記憶するべき重要な情報だ。」と判断させなければなりません。
と、理屈はこんな感じになってくるんですが、海馬に長期記憶情報として認識させるためのポイントは幾つかあります。
【ポイント1:反復】
反復、繰り返すこと。
「なーんだ、結局繰り返しかよ。。特別でも何でもないじゃんか。」
はい、その通りです。面白くなくてすみません。でも、「反復」というのは語学のみならず、物事を習得することに置いて、切っても切れないものなんです。
スポーツでも基礎練習はプロになってからも欠かさず行いますし、学校の授業でも会社の仕事でも、大切なことは同じことを何度も繰り返し強調したりします。
つまり、それだけ物事を習得することにおいて「繰り返しやる」というのは欠かせない重要なものだということです。
これを言い換えると「継続できるかどうか」が大変重要なポイントになってくるのですが、もっとも退屈で飽きやすいのが基礎の反復なのです。そして、詳しくは「語学習得の基本サイクル」でお伝えしようと思いますが、この基礎反復期間に諦めて脱落してしまう人が多いのです。
【ポイント2:イメージと結びつけること】
過去を振り返ってみると、こんな経験はありませんか?
彼女・彼氏と海岸線をドライブしながら、美しい夕日を見た時に、車の中で聞いていた音楽が、今も忘れられず思い出される。
その国の言葉を話せるわけではないが、旅行中食べた食事があまりに美味しくて、「〇〇」という料理名だけは忘れず覚えている。
など、
これらはその時の目で見たイメージと耳で聞いた音楽、旅行のイメージと食べ物が結びついて、よく覚えているということです。
そして、共通しているのは「体験した」という部分です。
記憶にするポイントは「イメージで覚える」
結論としては、
語学を習得するには「地道な反復」が必要、一方で、「生活での体験や経験を通して鮮明なイメージとして記憶する事が出来る」という特性も踏まえた上で、「どのような勉強方法がいいのかを考えていく」のが良いということになります。
語学習得の際に知っておくべき脳の記憶領域について(Part1)
今日は「語学習得の際に知っておくべき脳の記憶のメカニズム」について書いてみたいと思います。
先に申し上げておきますと、私は脳の専門家、脳科学者ではありません。だから、「脳について」話すわけではありません。ただ、「語学の勉強をやっていく上で、知っておいた方が役に立ちますよ」という部分に関してだけ、自分なりに話そうというだけです。
さて、脳の記憶は大きく「短期記憶」と「長期記憶」の2つに分けられます。
「短期記憶」とは簡単に言うと、「一時保存」状態です。この「短期記憶」は、「海馬」と呼ばれる部分で行われるそうですが、短くて数十秒~数十分、最大でも1~2週間程度の記憶領域だそうです。
生活していると「あれ、さっきまで覚えていたのにもう忘れちまった。」とか語学の勉強していたら「さっき覚えたばかりの単語なのに、もう忘れてる。。」と言う経験ありますよね?
記憶の話になると、覚えたいのに忘れることばかり考えてしまって、「俺はなんてバカなんだ。。」とネガティブな考えに流れてしまうことも多々あります。
しかし、別の角度から見てみると、一時的に瞬間覚えてしまう脳、新しいことを覚えるためには古いことを忘れるようになっている脳(正確には、記憶の中から消えてしまうというよりは、優先順位的に奥の方にしまい込まれて思い出せないという状態らしいですが)、または傷ついたこと、嫌な思いをしたことも、楽しい記憶が出来れば忘れてしまえる脳、は本当に精巧で素晴らしく作られているともとれます。
話が脱線してしまいましたが、一方「長期記憶」とはどういうものでしょうか?
文字通り「短期記憶より長い間記憶しているもの」です。別の言葉で言うと、「脳の記憶に定着している状態」のことを言います。
つまり、基本的に長期記憶は 「消えることがない」と言われています。
私たち日本語を話す時、基本的には「言葉を忘れる」ということはないですよね。(もちろん普段あまり使わない単語や表現の忘却、ボケによる忘却はありますが)
忘れたら話せません。
生きていく上で欠かせないもの、興味・関心の強いもの、楽しい思い出、または忘れられないほど嫌な思いをしたことなど、これらは「長期記憶」に入っているからすぐに思い出せるわけです。
結論です。
語学習得で欠かせない「記憶」の部分に関して必要なことは
「『短期記憶』(一時的に覚えたもの)を『長期記憶』(ずっと覚えているもの)に移すこと」
以上、「語学習得の際に知っておくべき脳の記憶領域について(Part1)」でした。
じゃあ、どうやって短期記憶を長期記憶に移すのか、具体的な方法を見ていく前に、もう少しだけ「長期記憶」について触れたいと思います。