語学習得の基本サイクルを知る

語学習得では「反復」が欠かせない

と前回話しました。

そして

「もっとも退屈で飽きやすいのが基礎の反復」であり、「この基礎反復期間に諦めて脱落してしまう人が多いのだ」と話しました。

 

ここで、私の経験談にちょっとだけお付き合い下さい。

 

ブログのトップページでも少し触れましたが、私は韓国語を習得したくて7年間日本で勉強をしました。ありとあらゆる方法(教科書、韓国人の友達を作る、街の韓国語教室、ネット上の情報商材、毎日韓国語リスニングなど)を試し、何としてでも話せるようになりたいと努力しました。

当然、韓国語の知識はそれなりに増えましたが、いざ韓国人と話そうとすると挨拶程度の言葉しか出て来ないといった有様でした。

語学が元々好きで、受験勉強の中でも英語の成績が最も良かった私でしたので、周りから見ても一生懸命やってると言われるくらいだったとは思います。しかし、7年やっても挨拶程度のレベル。

「もう、自分は語学の才能がないんだ。もう、最後に留学するしか方法がない。それでも駄目だったら、金輪際語学の勉強はやめよう」とまで思うようになりました。

 

そんな私の想いを神様が汲み取ってくださったのか、当時会社員だったにもかかわらず、色々な経緯があり、会社を辞めて留学に行けることになったのです。

 

語学学校に入学する時にはレベルを測るテストがありました。私は単語や文法の知識はあるが、とにかく話せるようになりたいという想いが強かったので、スピーキングで定評がある語学学校を選択するようになりました。なので、テストは先生と電話越しでの対話なのでした。当然、挨拶くらいしか話せない私は、7年間勉強してきたにもかかわらず、一番レベルの低い「1級」のクラスに入れられることになりました。それだけでも恥ずかしく、悔しい思いをしたことを今も忘れられません。

 

(これも後々触れていくことですが、語学学校に行くとレベル別のクラスがあります。ということはどういうことか?

「語学にはレベルがある」ということなんですね〜。

「当たり前じゃん」と思われるかも知れませんが、これが意外と語学習得の際のマインドセットに大きく関わる部分ですので、後ほど説明していきたいと思います。)

 

本文に戻ります。

 

 「高いお金をかけて留学にきたものの、本当に大丈夫だろうか?」

そんな不安・心配を抱えたまま、運命の授業はスタートしました。

「1級の教科書の内容」は「自己紹介」から始まりました。

「えっ、ここまで簡単な内容?まじか、高い金払ってきたのに・・」

授業に参加している生徒はヨーロッパやアジア各地から集まってきている生徒がほとんどで、ほとんど韓国語を学び始めたばかりの人達だった上に、授業の半分は生徒同士でその日のテーマに沿って会話するという内容でした。

 

「本当にこんな内容で続けてて、ペラペラ話せるようになるんだろうか?」

約1ヶ月半の間、悶々とした心で続けながら、焦りが募っていきました。

あまりのじれったさに、1級の先生の所に行って2級にあげてくれと頼みました。語学学校は1タームが3ヶ月で、期末にテストがあり、受かれば次のタームに進級できるのですが、同じお金を払うなら自分のレベルにあった所に行きたいと思いました。自分は2級のレベルくらいはあるだろうと思っていたからです。

そうして、2級の先生が特別にテストの機会を下さったのですが、結果は「惨敗」でした。筆記もスピーキングも全く駄目でした。

「本当に情けないな。。」と思いながら、しぶしぶ1級の授業に通うことになりました。しかし、授業を続けていくうちに、所々知らなかった単語や文法が出てくることがありました。7年間日本で勉強して知識はあるだろうに、意外と知らないことにぶつかるのでした。

 

 結局最初の1タームを「1級」で過ごし、期末テストに合格して進級出来るようになりました。

3ヶ月経った時の私の実感は、「簡単な言葉を話すことには慣れたのだが、韓国人と話そうとすると続かないし、何言ってるのか聞き取れない」という感じでした。

それでも6ヶ月間という限られた留学期間だったので、とにかく必死に勉強に取り組みました。

 

6ヶ月経った時、とある自分の変化に気づきました。

「あれ、何か急に韓国人の話すことが聞き取れるようになってる。」

「いつの間にか韓国語を話すことが難しくなくなってきたぞ。」

 

衝撃的でした。

 

あんなに7年間苦労しても挨拶程度しか出来なかった韓国語が、留学して6ヶ月後には信じられないくらい話せるようになって来ていたのです。

 

このような経験から、一体、語学を習得するには何が必要なのか、日本に帰って来てから様々に研究し、英語と中国語の習得に向けて、実践を繰り返しました。

 

私の経験談を通して伝えたい語学習得のポイントはいくつかあるのですが、それはまた他の機会に伝えることにして、話を本題に戻します。

 

私が考える「語学習得の基本サイクル」というものがあります。

これは語学に限らず物事の習得全般的に当てはまることだと思うのですが、

習得のグラフは「右肩上がり」ではなく、「ある一定期間平行線を辿り、とある瞬間グッと上に伸びる」というものです。

 

皆さん、生活の中で何かを身につけようとする時にこんな経験はありませんか?

「今まで何回説明してもらっても理解できなかったのに、ある日突然理解できるようになった。」

「何回練習しても出来るようにならなかった技が、ある日突然出来るようになった。」

 

これは、ある日突然奇跡的に出来るようになったように見えますが、実はそれまでの地道な積み重ねがあって初めて起こる奇跡なのです。

しかし、その「ある日」を迎えるまで、毎日毎日右肩上がりの成果が感じられるものではありません。だから、「反復」していく中で先が見えず、モチベーションが下がり、「ある日」を迎えるまでに諦めてしまうようになります。

 

 確かに、「ある日」を迎えるまで実際大変です。「楽に」「簡単に」などといい加減に言う事も出来ません。

でも、同じ努力をしていくにしても、「まぁ、語楽堂」を読むことによって、出来るだけ良い方法・早道をわかり、大変な時にはサポートしながら、少しでも皆さんの語学習得の力になれたらと思っています。

 

以上、ここまで長々とお読み頂きありがとうございます。

「簡単、楽」ではないが、語学習得に向けて続けて「まぁ、語楽堂」をお読みいただける方は、管理人に付き合ってやってください。

 

次回は、今日の記事の中でも触れた「語学のレベル」についてお話ししたいと思います。